天と地とテノチティトラン2

私はロボットではありません

オールドタイプ、交感す

今回の帰省(紛い)にて気をつけていたことが一つあった。

 

それは、可能な限り「ありがとう」という言葉を発することだ。

 

俺は超が少なくとも3つは付くほど内弁慶な性格であるので、実家で暮らしているときは家族に不埒な態度を取ることがしばしばあった。

俺の両親はどちらかと言うと過保護なタイプで、恥ずかしくも俺はいつしかそれらを享受することが当たり前になっていた。はい、社会を舐めている人間の出来上がり。俺はそんな俺が一番嫌いだった。

しかも何よりタチが悪いのは、有難いと思っているにもかかわらず、気恥ずかしさから「言わなくてもわかるだろう」と、自分に対する言い訳をしていたことだ。言い訳だけの人生。なんとも矮小。ニュータイプでもないくせに。

 

そのような経緯もあり、いちおう大人になり独立した(つもりになっている)今、これまでの非礼を詫びる為にも言葉を言おうという気分になった。サムシング言葉を。なんたってアラサーだから。

 

結論から言うと、とても恥ずかしかった。しかも、気付いてもらえているのかもわからなかった。今まで「ん」とか、「はいよ」とか、調子が良くて「どうも」しか言わなかった息子が、はっきりと「ありがとう」と言っている、とまで考えて会話をしていないかもしれない。それでも、自己満足のために言った。独りよがりな贖罪でしかない。だが、この先は贖罪の人生だ。生きて償うのだ。

 

今朝、実家を後にする際にも言葉を言おうとしたが、最後の最後で照れが出た。おおきに、と方言特有のコミカルさを借りた。おおきに。おおきにと申します。

 

孝行のしたい時分になんとやら、と毛髪をピンク色に染め上げた芸人はテレビで話していた。

 

これまでの途方もない借りを返す為には、出来る限り長く生きてもらわなければ困る。

 

Thank God for Music

Thank God for Music