久方ぶりに風立ちぬを見た。
自分でも何がそこまで俺を引き付けてやまないのか分からないが、何度見ても良い。飽きずに最後まで真剣に見てしまう。
ハッキリ言ってフワッとした映画だ。現実と夢を行ったり来たりするし、ハッピーエンドでもない。明確な答えも示されないような気がする。
しかし逆に言えば、一瞬たりとも無駄なシーンがない。セリフ一つ一つが良い。風景描写も時代を切り取ったものばかりだ。むしろその点では実写より写実的かもしれない。
あたかも自分までその時代にいるかのような没入感。さすがは日本の巨匠。
時代の空気をそのまま映像に写しているところが好きなんだろうな、と思いつつ、明日からの日々に震えて眠る。生きねば。