俺は一体何をしたいのだろう、と思う。
いつでも出てくるのはその場しのぎのアイデアだけ。本当に俺が望んでいることってなんだろう。まあ確かに、その場で思いついたことも俺がしたいことには他ならない。でも、それがベストな選択なのだろうか。わからん。本当は何がしたかったんだっけ。
人に言われてハッとすることがある。けど、正直者とは到底思えない俺の脳みそは即興のアイデアを垂れ流すばかり。誰かに決められるのが嫌な癖に、自分では何も決めようとしない。結局、流れ流されたどり着いた場所を自分の選んだ道と宣う。
問題なのは、俺自身がそれを問題と思っていないことにあるのではないか。
何がしたい?俺は。何がしたいんだ?バンドか?ライブか?思い出作りか?仲良しごっこか?
全て当てはまっている。そして全て違う。
実にややこしい人間である。
一つ言えるのは、心が震えることを渇望しているという事実。
曲を作っている時。曲ができた時。曲を始めて人に聴かせる時。
その後は、その曲たちに対する親心みたいなものでズルズルと動いているだけだ。一種のボランティア。俺の意思はそこに無かった。
しかし、だ。先日舞台に上がった際、確かに心が震えるのを感じた。
そうだ。俺は諦めていたんだ。様式美に自分が当てはまることを。
そしてそれはいつしか、自分の意思ではないなどという言い訳を生み出していた。
違うよ、俺。
俺はね、歌いたいんだよ。ギターを弾いて。マイクを通して。そこに何人の観客がいようともいなくとも。
素直になれよ。答えはシンプルじゃないか。
ギター1本でも、下手くそでも、歌うんだろ。腹くくれよ。
別に有名になりたいとか、音楽で飯食いたいとかじゃないだろう。
俺が震える歌を俺が歌いたいんだろ。
俺は知ってるぜ。誰よりもな。