天と地とテノチティトラン2

私はロボットではありません

素直な心だけがあればいい

最近はもっぱらムーミン谷にいる。

 

所詮幼児向けだと舐めていた自分をこっぴどく叱りつけたいほど、それは大人にこそ相応しいものだと思う。

 

歳をとると感受性が希薄になる、とシルクハットの彼は言っていた。確かにそうだ。俺もそれを実感していた。全てが二週目以降。予定調和。そこには感情は無く、システムとしての喜びがあるだけ。

 

だからこそ、まだ踏み入れたことのない道なき道を往く必要がある。大人になればこそ。冒険だ。冒険は子供には必要ない。だって子供にとっては全てが冒険だから。大人には冒険が必要だ。

 

決めた、と俺は心の中で呟いた。

 

体はこの狭いアパートに暮らそうとも、心に冒険を絶やさぬようにしよう。

 

そしていつか、本当の冒険に出よう。

 

地球の1日が終わるその数秒間を、この体と心に焼き付けよう。

 

星は煌めいている。終わりに向かって。

 

素直な心さえあれば、夢の世界にだっていけるさ。